運命を分けたザイル(ネタバレあり)

    

最近は、あまりにも暑いですね。

       

今回は、「運命を分けたザイル」のDVDを見ましたので、

その感想とあらすじを書きます。

       

あらすじ

ジョーとサイモンは前人未踏のシウラ・グランデ峰の西壁を、

大掛かりな組織と装備で行う極地方法ではなく、アルパインスタイル

という必要最小限の装備でアタックします。

           

2人で登頂に成功するのですが、下山時にジョーは右足骨折の

大けがをします。

登山の事故発生確率は約80%が下山時だと言われています。

           

アルパインスタイルとは、クライマーは6人以内、酸素ボンベ無し、

固定ロープ無し、高所ポーターやシェルパの支援なし、が国際山岳連盟

(UIAA)の定義とされています。

大掛かりな組織と装備で行う極地方法とは違い大きなケガは死を意味

することになる、登山スタイルであるといえます。

        

サイモンの判断

パートナーが大けがをして動けなくなったら、普通なら助けを呼びに

行くと言い置き去りにしてしまうのが普通だと言ってまた。

           

サイモンは、この時点では見捨てなかった事がナカナカできる事ではない

と思います。

      

救助の方法は、ザイル2本を繋ぎ90mにして、サイモンが山の上でザイルを

確保して90mづつジョーを降ろしながら下山ていきます。

何回目かの下降時にジョーはクレバスに宙吊りになってしまいます。

そこでジョーはスリングで登り返しを試みますが、スリングを落と

してしまい、宙吊り状態でどうすることもできなくなってしまいます。

       

一方、サイモンは体感温度-60℃で1時間半もジョーを確保しながら嵐の中を

耐えていました。サイモン自身も確保場所からずり落ち始めます。

このままでは、サイモン自身も滑落してしまうんですから、

ジョーを見捨てざるを得ない状況です。

        

このままずり落ちてい行くと、自分(サイモン)も落ちてしまうもう

ダメだと思た時、ザイルを切断します。

        

ザイルを切断後、サイモンは下山途中で天罰が下り氷河の割れ目に

落ちて自分はどうせ死ぬだろう。と考えたところなんかは、

生還して報告はどうしよう等、考える余裕なんかゼンゼン無い状態で、

とにかく下山するの一心だったのでしょう。

そして死んだらそれでも仕方ない。自分は友人を見捨てたのだから罰が

当たって当然だと思っていました。

      

しかし、氷河の割れ目には落ちずに難所を通過します。

その時初めて、生還出来ると思ったのに違いありません、

生還した時に自分を正当化する言い訳を考え始めました。

と本人のインタビューにありました。

       

天罰は受けずに返って来れたけど、皆に事故の状況をどう伝えよう、

どうしたら自分を正当化できるか、を考える事ができるようになります。

       

          

生還できる嬉しさよりも、友を見捨てたと思うと大きな精神的苦痛が

彼を襲います。

それがわかるのは、サイモンがキャンプ戻った後4日間くらいそこから

下山しようとせずに悩みぬいていた場面からそう思われます。

       

結果的にジョーは生還するのですが、自分を責め続けて肉体的にも

精神的にかなりなダメージを受けベースキャンプで閉じこもっていた

4日間は、きっと自殺をも考えていたのではないかと思います。

         

ジョーの判断

登る事は出来ず、下降する事以外できないからないとはいえ、

クレバスの更に下へ下降する事をよく思いつき、よく判断をしたなと

思いました。

普通、下に降りたらもっと悪い状況になると思いますが、経験を積んだクライマーの直感なんでしょう。

クレバス内での懸垂下降は一種の死を覚悟した事による積極的ではない

自殺かなとも思いました。

        

通常、懸垂下降時にはザイルの末端に結び目を付けるのが鉄則です。

末端の結び目なしに懸垂下降をするという事は、ザイルが下までに

達しなかった場合、すっぽ抜けて墜落死するという事です。

普通なら結び目を付けて、下まで行けなかったら、スリング

(ロープ等で作った輪)をプルージック(結び方)にして2本で

登り返しますが、既にスリングを落としてしまったので登り返しは

出来ません。

なので、宙吊りになって身動きが取れないくらいなら、墜落して死のうという判断は非常時だからこそできる判断なのでしょう。

結果的に、何もしないで死ぬのを待つよりも何かして死のうと思った

ことが脱出に繋がったという、すごい運の持ち主だと思います。

       

フィクションだったら、クレバスの下に行ってそんなうまい具合に、

脱出口なんあかあるわけがない。

という感じになりますが、事実は小説より奇なりとはこの事だなと思います。

        

水分補給の為に岩に染み出る水を舐め、その水を貯めて泥を啜るシーンや、

這いつくばって下山するシーンは痛々しいを通り越してます。

厳しすぎる試練です。よくもあんな事が出来たなと思います。

フィクションなら、ありえないと!言われそうな場面だと思います。

普通の生活をしている人間には想像もつきません。

       

最後に

この実話は、神様がいるのなら、2人とも寿命はまだですよ、

生きなさいと言っている様な感じがします。

      

まず1回目に見ると、この実話の内容に驚きます。2回目に見る時に、

自分だったらどうするかと考えながら見ると、もう考えたくなくなりました。

        

一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

       

       

        

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

       

それでは、失礼します。

      

      

    

   

       

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